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私を子育ての罪悪感から解放してくれた2つの出会い

ペアレンティング
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このブログで書いた子どもとの時間を楽しめない保護者向けの記事Twitterでも発信したところ、とても大きな反響(当社比)をいただきました。

このツイートでも書いていますが、普段偉そうに子育てについて書いている私ですら子どもとの時間を楽しめないときがあります。

そして、それは当然のことだと受け止めています。

この記事では、そのあたりをもう少し掘り下げたいと思います。

子どもとの時間を楽しめない私がしていること

繰り返しますが、私は我が子との時間を楽しめないひとです。でも子どもたちのことは大好きですし、少しの成長にも喜びを感じます。この矛盾した感情、私だけではないはず。

私はこの状況を受け入れていますし、子どもも夫もそのことをわかっています。

ただ、私はそれで良しとはしていません。苦しいことは取り除きたいし、できるなら快を増やしたい。

そこで、私はこうしたらまずまず楽しめる、少なくとも苦ではないというラインを常に探しています。

些細ですが、たとえばこんなことです。

マイナス→ゼロ→プラスにするための心がけ
  • よく寝る(睡眠不足はイラつくから)
  • 食事を抜かない(空腹はイラつくから)
  • 子どもの睡眠と食事と遊びの時間を守る(子どもがイラつかないように)
  • 読み聞かせをする(私が好きで、子どももまんざらでもない過ごし方だから)
  • 子どもを安全に放置できる環境整備を惜しまない(子どもから安全に離れられる時間をつくるため)
  • 子どもがいる休日や平日朝晩に不要不急の作業予定をいれない(妨害されるとイラつくから)
  • 私に余裕があるときに積極的にスキンシップを取ったり子どもの要求に応えたりする(子どもの心に安心を貯めるイメージ)

どんだけイラついてるんだ、って感じですね(笑)

私がたどっている思考ステップ

上記の心がけに至るまでに私がたどった道のりをステップ化すると、こうなります。

  • STEP1
    まずは現状を正しく認識する。受け入れる。

    ただしそこで止まらないこと。ここで罪悪感を持つ必要はない。

  • STEP2
    自分のコンディションで改善できるポイントを探す

    特に睡眠や食事などの生活習慣の改善にはリスクがなくメリットしかありません。

  • STEP3
    負の感情が一番大きくなる条件を特定する

    場所や時間帯や状況など、苦痛を感じる条件を特定しましょう。それを遠ざけたり頻度を減らしたり、できる範囲で工夫をします。

  • STEP4
    予防策を考えてみる

    一番苦痛が少ないときに取り入れられる予防習慣を考えて、試してみます。

    たとえば私の場合は、余裕があるときに積極的に子どもの心を満たすこと(私が疲れすぎない範囲で)をします。そうすることで、子どもの安心する顔を見られるだけでなく、私の苦手な子どもの反応を減らす予防になるかもしれないと思っています。

このステップは親子関係だけでなく、夫婦関係やその他の人間関係にも使えることだと思います。

現状を認めることは「罪悪感」と別であることも、覚えておいてください。

事実は事実として曲げられないことですが、「罪悪感」は価値観なのでいくらでも変えられます。

私の罪悪感をなかったものにしてくれたもの

私は今でも「我が子との時間を楽しめない」ですが、それについての罪悪感はありません。

初期の頃、私が感じた「子どもがこんなに好きなのに、楽しめない」という矛盾は罪悪感をムダにかきたててくれました。

でも人間は矛盾するものです。それはそれ、認めて楽になりましょう。

次に罪悪感をどうにかしましょう。どうにかできます。

私が罪悪感を払拭できたと実感するには数年かかったと思いますが、確実に後押しをしてくれた出会いが2つあります。

ひとつは、「心の基本的人権」。

もうひとつは、あるインフルエンサーの動画です。

ひとつずつご紹介します。

心の基本的人権

これは長男が生まれたばかりの頃に、ある行政の子育て講座で聞いて、思わず書き残して今も見返しているものです。

「人権」とは堅苦しく聞こえるかもしれませんが、つまりは「こう考えてみるのはいかがでしょう」という提案です。

心の基本的人権
  1. 自分自身である権利・・・人と違っている権利
    (自分は自分として価値がある。人と違っていい)
  2. 自己表現する権利
    (自分を表現し、それを人に認めてもらうのはいいことだ)
  3. 気持ちや決定を変更する権利
    (自分の気持ち、考えはかわることもある)
  4. ありのままの感情を感じ取る権利
    (感情に正しい感情・まちがった感情、良い感情・悪い感情はない。だから、感情を合理化したり、正当化する必要もない)
  5. 不完全である権利
    (「知らない」「わからない」「できない」と言ってもかまわない)
  6. 責任を取らない権利
    (人間には、自分に取れる責任と、取れない責任がある)
  7. まちがいや失敗をする権利。またその責任をとる権利
    (人は失敗やまちがいをすることがある。失敗しても、その責任を取ることができる)
  8. ノーという権利
    (やりたくないこと、いやなことを、いつも無理してやる必要はない。ノーと言ってもいい)
  9. 行動を起こす権利
    (いつも人の善意や好意、協力をあてにしなくていい。待っていなくてもいい)
  10. 選択する権利
    (第1条から第9条は、やりたければやればいいし、やりたくなければやらなくてもいい)

長らく出典を知らなかったのですが、この10か条を取り上げた当ブログ初期の記事の読者さんのおかげで著者も文献も判明しました。ありがとうございます。

この心の基本的人権10か条は、川喜田好恵さんによる『自分でできるカウンセリング―女性のためのメンタル・トレーニング―』の99~118ページに記載されています。

読んでみると「何を今さら、こんな当たり前のことを……」と思われるようなことばかりかもしれませんが、社会の常識や役割意識に縛られているうちに忘れてしまっているものも少なくないと思います。

川喜田好恵『自分でできるカウンセリング―女性のためのメンタル・トレーニング―』

この本にはこの10か条の解説以外にも、自分を変える・関係を変える・不安から抜け出すなどの具体的な指針が書かれています。いま悩んでいるかたはぜひチェックしてみてください。

あるインフルエンサーの動画

2つ目に紹介したいのは、Kristina Kuzmic(クリスティーナ・クズミッチ)さんというインフルエンサーが数年前に作成した動画です。

今回、ご本人のパブリシティ・チームにご快諾をいただけたので、満を持してご紹介します。(おそらく日本人ブログでは初)

Kristina Kuzmicとは

Kristina Kuzmic
クリスティーナ・クズミッチ

クロアチア出身、アメリカ・カリフォルニア州在住のYouTuber兼ブロガーで、3人の子どもの母。

彼女の動画は皮肉とユーモアを交えながらも核心をつくポジティブなメッセージで溢れています。

公式Facebookページの登録者数は287万人、公式YouTubeチャンネルの登録者数は16.1万人。

英語が苦手な方も、YouTubeの英語字幕や再生速度の機能を活用すれば、身近なテーマかつポジティブなメッセージで英語を勉強できます。

ご自身の波乱万丈な人生のサバイバルストーリーを本として出されています。(和訳なし)

紀伊國屋書店ウェブストアでも買えます。

おすすめしたいKristinaさんの動画はたくさんありますが、なかでもイチオシはこちらです。

I was the perfect mom…until I had kids

タイトルを直訳すると「私は完璧な母親だった…子どもを持つまでは」です。

サムネを見ると、なんかヨレヨレの女性が散らかった狭い部屋でティアラを被っています。なにやら、ただごとではないことが伺えます。

この動画と出会ったのは何年も前ですが、3分という短さながらあまりによくできているので、私自身何度も観返したり、親になる知り合いにも勧めまくっています。

母親や女性だけでなく、父親や男性が見ても当てはまると思います。

英語が苦手でも、字幕や速度調整も活用して観てみてください。

字幕をつけても、再生速度を遅くしても理解が追いつかない、時間が足りない方、ご安心ください。

英語の原文スクリプトと翻訳スクリプトを載せます。パソコンなど広い画面だと並んで表示するはずなので、対比させられます。

予めお断りしておくと、私はバイリンガルですが英語学者でも日本語学者でもないので、文法や表記は多少間違っているかもしれません。

Ottter.ai(英語の音声文字起こしサービス)やDeepL翻訳の力を借りながら、できる限り忠実に再現したつもりです。(もし致命的なミスにお気づきの際はこっそりお知らせください。)

皆さんにこの動画を知っていただきたいという、その想いが伝われば嬉しいです。なにより、Kristinaさんの皮肉とユーモア交えたポジティブメッセージを感じてください。

I was the perfect mom, until I had kids. No, really. I was.

In my pre-children fantasy, I popped out a bunch of children who were great sleepers, and they never had diarrhea shooting out of the back of their diaper into their hair, and speaking of hair, no knots, ever. They were vegetable-loving, chore-loving little angels.

Before I had actual kids–my fantasy kids, they called me “mom” not “muh-uh-m”. And they never threw tantrums in public, in the middle of a mall, or a library, or a church, during a funeral. I mean, other people’s kids did that, but not my children. And most importantly, motherhood fulfilled me completely, and I loved every single second of it.

But in reality, motherhood is nuts. My kids, nuts. Completely, nuts. So nuts that sometimes I have to hide away in the pantry and shove snacks in my mouth because the way today is going–oh, the way today is going; there’s no way I’m gonna have time for a sit down meal like a fancy person. No time for forks today, people.

See this parenting gig is not for wusses. Oh, it is not. I mean, don’t get me wrong, I love my actual children more than I ever imagined I could love anyone, but parenting is hard. I mean we’re raising humans, like real ones with different personalities and tendencies. And let’s be honest, no one is actually completely equipped for this gig. I mean this is harder than brain surgery, trying to raise, tiny little helpless babies into responsible decent adults. This is no joke, people.

We all create this fantasy of what we think motherhood will look like. And then when reality hits, and we can’t reach the fantasy, then we’re just left feeling inadequate, right, laying in bed at night, beating ourselves up and feeling guilty. Am I right?

But see this is the new approach I’ve taken recently. Instead of laying in bed late at night, feeling guilty about all the things I didn’t accomplish, which basically means feeling guilty that I’m not Superwoman, who can do everything perfectly, and check up 3000 things off your to-do list. Instead I started thinking about all the things that I DID accomplish because the fact that I could keep humans alive, and fed, and loved, and maybe, maybe fit in a shower for myself like once a week–that deserves a major credit.

We pile so much guilt on ourselves because we’re self-abusive freaks. We need to stop. We need to change our focus from everything you lack and everything we suck at to thinking about all the things we’re accomplishing and all the things we actually ARE getting right.

This is why I own a tiara, people. It’s not a joke. It’s a uniform. The mom uniform. Tiara, pajama pants, any shirt that isn’t white, and a coffee pot. The mom uniform.

So on days when you’ve survived being a grown up and survived rinsing out your toddler’s pooped underwear, and survived running 19 errands and answering/ignoring 726 “but why, mom” questions and survived your dog vomiting all over the carpet, and your teenager temporarily hating you. On those days, wear freaking tiara. Because you earned it.

私は完璧な親でした。子どもを持つまでは。いや、本当に。 私はそうでした。

子どもができるまでは、私は寝つきのいい子をたくさん産んでいました。私の子は、オムツの後ろから髪の毛に届くほど下痢をしたこともなく、髪の毛に絡まりもありません。 彼らは野菜が大好きで、家事が大好きな小さな天使たちでした。

私が実際に子を持つ前、つまり私の空想の子どもたちは、私のことを「ママ」と呼んでいました。生意気な「マァマー」ではなく。そして、公共の場で癇癪を起こすこともありませんでした。ショッピングモールや図書館、お葬式の最中にもです。他の人の子はそういうことをしたとしても、私の子はしません。そして何よりも、育児は私を完全に満たしてくれましたし、その1秒1秒を愛していました。

でも現実の育児は狂っています。 私の子どもたちは、狂っています。完全に、狂っています。こうしてパントリーに隠れてお菓子を口に詰め込まざるを得ないほど。なぜなら今日のこの調子では、ああ、今日の調子では、洒落た人のように座って食事をする時間もありません。 皆さん、今日はフォークを使う時間はありませんよ。

この子育ての仕事は、弱虫のためのものではありません。 そのとおり。 誤解しないでほしいのですが、私は実際の子どもたちを想像以上に愛しています。でも子育ては大変です。 私たちが育てているのは、さまざまな性格や傾向を持つ本物の人間です。 はっきりいって、この仕事に完全に対応できる人はいません。 これは脳外科手術よりも難しいことです。小さな小さな無力な赤ちゃんを、責任感のあるきちんとした大人に育てようとすることです。皆さん、これは冗談ではありませんよ。

私たちは皆、親業はどういうものか、仮想現実を作ります。 そしていざ現実になって、仮想現実に到達できなかったとき、私たちはただ不完全燃焼のまま、夜ベッドに横たわり、自分を責め、罪悪感を感じているのです。 そうでしょう?

これが私が最近とった新しいアプローチです。 夜遅くにベッドに横たわって、達成できなかったことについて罪悪感を感じる代わりにーつまりそれは私がすべてを完璧にこなせるスーパーウーマンではなくて、3000件ものタスクこなせないことに罪悪感を感じているということーその代わりに私は自分が達成したすべてのことについて考えることにしました。なぜなら人間を生かし、飢えさせず、愛し、そして週に一度くらいは自分のためにシャワーを浴びることができたという事実は、大きな評価に値するからです。

私たちは自虐的な変態であるがゆえに、多くの罪悪感を自ら積み重ねています。 もうやめよう。 自分に欠けているものや苦手なものよりも、自分が達成していることや実際にうまくいっていることに目を向けるようにしなければなりません。

だから私はティアラを持っています。 ふざけていません。 これは制服なんです。 ママの制服です。 ティアラ、パジャマのズボン、白以外のシャツ、そしてコーヒーポット。これがママの制服です。

どんなときがきてもー大人を演じたり、ウンチのついた子どもの下着を洗ったり、タスクを19個こなしたり、726回の「でもママ、どうして〜」という質問に答え/無視したり、ペットの犬がカーペットに吐いたり、思春期の子どもが一時的にあなたを嫌いになったりしてもーあなたは生き延びたのなら。 そのような日には、マジでティアラを身につけましょう。 なぜなら、あなたはそれを獲得したからです。

この動画のメッセージを私なりに要約するとこうなります。

「完璧な子育てができる人はいない。できていないことや足りないことに罪悪感を覚えるよりも、できたことに目を向けよう。なぜならそれだけで充分すごいことだから。それはティアラ(称賛)に値する」

もしかすると、「罪悪感から逃れる」ことにすら罪悪感を覚えることもあるかもしれません。でも、Kristinaさんの動画は「健全な開き直り」がどういうものかを体を張って示してくれます。

子育てしている自分には、罪悪感の代わりにティアラを被せましょう!

まとめ

この記事では、私がいかに「我が子との時間を楽しめない」ながらも、マイナスを打ち消すことを心がけて過ごしていること、そして私を後押ししてくれている2つの出会いについて書きました。

「我が子との時間を楽しめない」という悩みは、それ自体珍しい悩みではありません。(だからといって軽く扱うべきものでもない)

悩みの深刻さや背景や感じ方はひとそれぞれなので、万人に適したアドバイスや解決策はないのです。

でもヒントになる情報や経験談を発信している人たちはたくさんいます。

あなたのことを直接知っている人ではないかもしれません。でも、目線を上げて、視野を広げるとそこらに垂らされている蜘蛛の糸に気づけるかもしれません。

目線を上げて、手を伸ばすところは自分でやるしかない。たとえその糸じゃなかったとしても、他にも手はあります。