2021/10/01時点のアメリカのAmazonの育児書ベストセラーを訳本(あれば)や関連本とともにご紹介します。
売れている本を知ることは、その市場でどんな情報や話題や著者が注目されているのかを知る手がかりになると考えています。
この記事ではアメリカAmazonの「就学児のペアレンティング(School-Age Children Parenting)」という育児本カテゴリを継続的にウォッチしています。
「ペアレンティング」とは親として子どもを育てるという意味で、日本語では「育児」や「子育て」が近い言葉になります。
海外の教育・子育て事情が気になる方には面白がっていただけるのではないでしょうか。
このランキングは4月から毎月一回続けていて、今回で7回目になります。
今回から、過去のランキング記事へのリンクは記事の最後に貼ることにしました。併せてお楽しみください。
アメリカAmazonの育児本ランキングTOP5
いつもどおり、同じ書籍の電子版/オーディオ版などの重複やワークブック系は除いた売れ行きトップ5をご紹介します。
1位 「言い聞かせる」をやめればしつけはうまくいく!
4月から毎月ランクインしている常連本です。今回も登場しました。
この本では、2歳から12歳の子どものしつけが必要な場面ですべきことやしてはいけないことを網羅しています。
表紙デザインが違いますが、日本語訳も出ています。
2位 子どもに愛が伝わる5つの方法
こちらも、4月から毎月ランクインしている常連本です。ほぼ1位独占しています。
著者のチャップマンさんは、“5 Love Languages”ーつまり「5つの愛の言葉」というキャッチフレーズで、親子や夫婦などの人間関係の本を多数出版されています。
日本語訳でも読めます⇓
こちらは同じ著者の別の本ですがKindle Unlimitedで読み放題になっているので著者デビューにおすすめです↓
3位 NEW! 頭のいい子はなぜ心配性なのか
こちらは4月にレビューを始めて、初のランクインです!
2013年発売だったらしいですが、この度Audible版がランクインしていました。結構前の本でも、こうしてリバイバルするんですね。どこかで取り上げられたのでしょうか。
直訳すると、「頭のいい子はなぜ心配性なのか:親にできること」です。
著者は、児童・青年・家族を専門とするカウンセラーでセラピストのアリソン・エドワーズ(Allison Edwards)さんです。
Amazonの概要によると、子どもが賢すぎるがゆえに発する疑問や心配に直面した親は、「なぜうちの子はこんなに心配性なのか」と不安になるといいます。
そこでこの本では、子どもの心配がどうして発生するのか、どう対応するべきかを解説します。
日本の育児本で似たようなテーマの本を知らないのですが、キーワードとしては「ギフテッド」や「HSC」などが近いのでしょうか。
HSCとは、英語のHighly Sensitve Childの略で、「人一倍敏感な子ども」と訳されることがあります。大人はHSP(Highly Sensitive Person)と呼ばれます。
調べると日本でも、HSCの親向けの書籍がいくつかありました。
うちの次男くん(年長)にも思い当たる節があるので、調べながらだんだん気になってきました。
4位 現代の子どもたちへのポルノ対策
今度は、先月を除いて毎回ランクインしている本です。
この本ではポルノとはなにか、なぜ危険なのか、回避する方法をどう子どもに説明するかを保護者に伝えます。
現時点では和訳本がないのが残念です。似たテーマの日本語本を挙げておきます。いずれも私も目を通しております。
こうしたテーマの取り扱い方を大人世代は学んできていない分、「セオリー」や「正解」的なものを探してしまいがちです。
上記2冊は「命や自分を大切にすること」「これは間違い」のようなスタンスはざっくり似ているものの、枝葉の表現においては似て非なると感じた部分もありました。
こういうファジーなテーマこそ、お仕着せの「正解」を丸呑みするよりも、複数の本を読み比べるなどして、各家庭の価値観を丁寧に言語化していく手間をかけることに意味がある気がします。
5位 データに基づいた小学校低学年の子育てガイド
今回5位の本は、初登場1位になった8月以降、毎月ランクインしています。
日本のアマゾンでは、同じ著者の訳書を2冊確認できました。
こちらは0歳から未就学までの子育てがテーマ。Amazonでは試し読みができました⇓
そしてこちらが妊娠・出産がテーマの本⇓
まとめ
2021年10月1日時点のアメリカAmazonの「就学児のペアレンティング(School-Age Children Parenting)」という育児本ジャンルの売れ筋TOP5と関連本をご紹介しました。
3位の新入り以外は、4冊とも常連本でしたね。日本のランキングと比べても動きが少ないのが当ランキングの特徴です。
アメリカも日本もそれぞれの経緯と社会背景があるので、比べることでどちらが進んでいるとか遅れているとか、優れているとか劣っているとか、判断はできません。
ただ同じ時期の日本とアメリカの出版状況や売れ行きを比べることで、似ているところと違っているところ、両国の特徴などを感じていただけると思います。
お知らせ
次回からは、アメリカ版のランキング記事は不定期にしたいと思います。
ここまで7ヶ月追いかけてみましたが、あまりランキングに変動がなかったことが主な理由です。
日本のAmazon育児本ベストセラーは、引き続き記事にしていきます。そして個人的にはアメリカAmazonの定点観測を続けていく予定です。
また大きな変動があれば、その都度記事にしていきたいと思います。
これまで7回分、アメリカAmazonの育児本ベストセラー定期観測をご覧いただきありがとうございました!