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子どもの権利について大人が知っておきたいこと

ペアレンティング
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権利って、なんでしょうか?

子育てや教育になんの関係があるのでしょうか?

権利(けんり)とは?

ちょっとむずかしい言葉が続きますけど、大事なのでお付き合いくださいね。 

goo辞書による権利の意味は以下のとおりです。

ある物事を自分の意志によって自由に行ったり、他人に要求したりすることのできる資格・能力。「邪魔する権利は誰にもない」「当然の権利」「権利を主張する」⇔義務。

2 一定の利益を自分のために主張し、また、これを享受することができる法律上の能力。私権と公権とに分かれる。「店の権利を譲る」⇔義務。→ライツ(rights)

3 権勢と利益。

(出典:goo辞書

人の権利である「人権」が専門分野のアムネスティ・インターナショナルの言葉をお借りすると以下のとおり。

少し難しいですが、権利とは「社会全体が護るべき基準(ルール)にのっとり、求めることができるもの」ということができます。

似たような概念として、「道徳」や「倫理」といったものが挙げられます。ただし、「権利」が両者と決定的に異なる点があります。それは、「(誰かに)実現することを要求できる」という点です。権利については、実現しなくてはならない責任者がいるのです。

(出典:アムネスティ日本

わかるようなわからないような。。。言葉遊びみたいです。

人間社会によって編み出された、かなり抽象的な概念ですよね。難しいのは当然です。

私(中腰のアジア人)が視察した西アフリカのベナンの農村でも、権利について学んでいました。

『子どもの権利条約』というものがあります

わかりにくいので子どもに対象をしぼります。

子どもの権利に関する代表的なものが、ユニセフの『子どもの権利条約』です。

これは子ども(18歳未満の人)の権利や国の義務を定義し、守るためのガイドラインです。

40の条文で構成されていますが、分類すると4つの権利について書かれています。

1.生きる権利
2.育つ権利
3.守られる権利
4.参加する権利

(出典:ユニセフ

2019年2月現在、196の国と地域が締約しているそうです。
締約している国・地域には、条約の実行と進捗状況報告の義務があるそうです。

日本は、1994年に批准(条約を国会で審議、承認し国際的に宣言)しています。

子どもに関わる大人には、一度見ていただきたいです。

どれも当たり前のことばかりですが、ニュースで虐待や差別の話を見ますよね。
ニュースになるような話は氷山の一角。
身近な場所で子どもの権利侵害は起きています。

また海外にも目を向けると、現実はより深刻です。
生きることすらままならない生活が当たり前の世界もあります。

そんなことを知る指標になるのが、この『子どもの権利条約』だと思います。

ベナンの試験的な幼稚園での一コマ。子どもが変わると大人も変わり、大人が変わるとまた子どもも変わります。

動画だとこちらもおすすめ。

国境なき医師団の「答えは変えられる。」

わかりやすく、衝撃的です。

ついでに『心の基本的人権10か条』

大事なのはわかるけど、頭が痛くて心が苦しくなっちゃう!という方にはこんなのもおすすめ。

こちらは大人も子どもも共通してある「心」についてです。

出典不明なのですが、(どなたかご存知でしたら教えてください)ある行政の子育て講座で教えてもらい、思わず書き残しておりました。
なんと読者の方から教えていただけました。川喜田好恵さんによる『自分でできるカウンセリング―女性のためのメンタル・トレーニング―』の99~118ページに記載されています。

『心の基本的人権10か条』

<第一条> 自分自身である権利・・・人と違っている権利
(自分は自分として価値がある。人と違っていい)


<第二条> 自己表現する権利
(自分の能力を発揮したり、人に認められたりしてもいい。他の人がそうしないからといって、自分を抑える必要はない)


<第三条> 気持ちや決定を変更する権利
(自分の気持ち、考えはかわることもある)


<第四条> ありのままの感情を感じ取る権利
(いい感情・悪い感情はない。感情を合理化したり、正当化する必要もない)


<第五条> 不完全である権利
(「知らない」「わからない」「できない」といってもかまわない)


<第六条> 責任を取らない権利
(人間には、とれる責任と、とれない責任がある。とってはいけない責任もある)


<第七条> 間違いや失敗をする権利・またその責任をとる権利
(人は失敗や間違いをすることがある。失敗しても、その責任をとることができる)


<第八条> ノーという権利
(やりたいこと、嫌なことをいつも無理してやる必要はない。「ノー」と言ってもいい)


<第九条> 行動を起こす権利
(自分から欲しいものを求めたり、やりたいことを試みることができる。いつも人の善意や好意、協力をあてにしなくていい。待っていなくていい)


<第十条> 選択する権利
(やりたければやればいいし、やりたくなければやらなくてもいい)

子どもも、親も、上記を要求する正当性があることを知っておくだけで違います。

「権利」の使い方

子どものために頑張りすぎて、苦しくなっちゃう大人は、自分のことをもっと大切にしてください。

まずは自分の権利を認めないと、他人の権利も認められません。

少なくとも私は、この10カ条を見て救われました。不完全な自分でいいんだ、とか特に響きますね。

きっとその人の傾向や状況によっても、響く部分が違うのでは。

子どもやパートナーや環境につい求めすぎてしまう、辛いところに置かれている方は一度深呼吸をして自分の心の権利をないがしろにしていないか、確認してみてください。

また、上記の権利を誰かに不当に侵害されているときは、その問題を言語化するためのツールになります。

まとめると、権利にはこんなことが期待できます。

「権利」の効用

1.自分を守る・楽にしてくれる

2.大切な人を守る・楽にしてくれる

3.問題を整理する・言語化する(解決への一歩になる)

4.自分や相手を守るためにどうすればいいかを教えてくれる

困ったときには、権利を確認ですよ!

参考になれば幸いです。