物理的な校舎と教室がある学校に通う代わりに、オンラインで学業を完結させる「オンラインスクール」があります。
「通信制」「オンライン」「高校/大学/大学院」などで検索すると出てきます。
オンラインスクールは通信制学校の一部として、90年代からコツコツと実績を積んできています。それは、日本だけでなく海外でも。(むしろ海外のほうが進んでいる説)
特にホームスクーリングが認められている国や地域では、義務教育課程もオンラインで完結できるようなシステムがあります。
でもここでいうオンラインスクールは、あくまで従来型の学校教育の「代わり」のような位置づけ。
(一部、宗教徒や少数民族やその他、従来型では補えない教育を担う例外はあります)
そのようなオンラインスクールが、これまでの従来型の学校教育で取りこぼしていた子ども(いわゆる落ちこぼれと吹きこぼれ)の受け皿として、完全にではないにしろ機能していたとすると、今は第二のオンラインスクールの潮流が出てきています。
それは、落ちこぼれでも吹きこぼれでもない(この表現も好きじゃないんですけど)生徒たちも歓迎する選択肢です。
消去法で選ばれていたかもしれないオンラインスクールではなく、積極的に選ばれていくようなオンラインスクールです。
そこでは、従来型の学校ではできなかった授業選択ができたり、地域に収まらない友だちを作れたり、場所や時間の制限から開放されたり、その他なにかしら魅力を感じるように設計されています。
これは“新しい”オンラインスクールのあり方です。(通信教育という仕組み自体は古いものなのに、がらっと印象が変わります)
なかにはフルタイムの学費が200万円近くして、金額だけ見るとリアルな学校かと錯覚しそうな高級オンラインスクールも珍しくありません。
いずれにせよ、この第二のオンラインスクールが増えて存在感を持つようになって、“あえて(従来型の)学校にいかない”という選択肢が多くの子どもがでてきました。
これまでの公立・私立・各種(インターなど)にオンラインという選択肢が加わりました。
これは、特に私立や各種学校が少ないエリアの在住者にとっては大転換ですし、なんなら教育のために都会に住んでいた方にとっても朗報です。オンラインスクールは、どこに住んでいてもアクセスができますから。
オンラインスクールは今後、第一と第二のタイプに二極化していくのではないでしょうか。
一つは従来型の学校教育の”代わり”のオンラインスクール。
もう一つは選ぶ対象としての高級オンラインスクール。
さらにいうと、実はすでに第三の波も来ている気がしています。
今度は、第二のタイプがどんどん削ぎ落とされ洗練され、シンプルに機能性とコスパが重視されるパターン。
第二のタイプがレストランのコース料理だとすると、第三のタイプは必要な時に必要な部分だけとっていくフードコートのアラカルトスタイル。
第二が航空会社のレガシーキャリアだとすると、第三はLCC。
第二が大手の携帯キャリアだとすると、第三は格安SIM。(もういいって?)
ここまでの考察は、まだ充分深堀りできているわけではありませんが、感覚的には近い将来なのではないかと思っています。