2021/07/01時点のAmazonのカテゴリ「本」のなかでも「家庭教育」の売れ筋ランキング、上位10点とその関連本について取り上げます。
どうせなら新刊や関連本とも比較できるといいと思うので、同じ著者やシリーズの最新情報もあれば載せていきます。ぜひ参考にしてみてください。
4月から始めたこのウォッチですが、経時的に比較すると面白そうなのでとりあえず半年くらい続けてみることにしました。今回はその第4弾です。
アメリカ版Amazonの育児本ランキングも、興味本位で観察しています。日本と違うトレンドを発見するのが面白いです。
「家庭教育」AmazonランキングTOP10
今回も、常連さんとご新規さんがほどよく混じっています。では早速始めます。
1位 子育てベスト100
今回の1位は常連さんです。4月からずっとランクインしていますが、10位→7位→2位→1位(今回)と順位が上昇しています。
どこか大手メディアで取り上げられたのでしょうか。発売から約1年経ちますが、その勢いは衰えません。
著者は教育分野を中心に「プレジデントFamily」「ReseMom(リセマム)」「NewsPicks」「ダイヤモンド・オンライン」などで執筆されている加藤紀子さんです。
この本は手引きとして使いやすく構成されているので、私も何度も必要なところを開いて確認しています。
「子どもの好きなものをいくつ知っていますか?」の記事を書くときも参考にさせていただきました。
2位 成功は愛が9割!
初登場2位の本です。6月30日(順位を取った前日)に発売された本ですので、予約購入が多かったのでしょうか。
著者は、高額納税者番付があった当時、ランクイン常連者だった斎藤一人さん。経済界の成功者として著書を多数出されています。
出版社のPHP研究所の内容紹介文によると「本当の自分を生きたいという人からの相談に、一人さんが史上最高の答えを出しました!「成功脳」を身につけ、豊かな道へ進む考え方!」だそうです。
個人的には、どうしてこの本が「家庭教育」カテゴリにランクインしているのか謎です。
3位「しつけ」を科学的に分析してわかった小学生の子の学力を「ほめる・叱る」で伸ばすコツ
2021年4月に発売されてから、3位→9位→3位(今回)と推移しています。
著者は、東京の中学受験専門塾を運営されている菊池洋匡さんです。このランキングには毎度登場されています。
研究よりも現場の目線で数多くの事例を見てこられている、私が好きなタイプの著者です。
このあと同じ著者の別の本もランクインしているのでぜひそちらもチェックしてください。
4位 やりすぎ教育: 商品化する子どもたち
こちらは、前回初登場1位だった本です。見るたびにドキッとしてしまうタイトルです。「家庭教育」というカテゴリに並んでいるのは複雑な気持ちです。
著者の武田信子さんは、子どもの養育環境の改善に取り組んでいる臨床心理士です。子どものウェルビーイングを守る一般社団法人ジェイスの代表理事で、NHKの「うわさの保護者会」にも出演されたことがあります。
子どもに期待と愛情をかけるのはどこまでが教育熱心で、どこからが教育虐待になるのでしょうか。
私も早速入手してみましたので、目次と印象的だった文章をご紹介します。
『やりすぎ教育: 商品化する子どもたち』
目次
- 1章 「成功をめざす教育」の限界
- 2章 不適切な日本の養育・教育
- 3章 子どもの育ちと基本的信頼感
- 4章 遊べない子どもが増えている
- 5章 社会で「やりすぎ教育」を予防する
ななめ読みしただけの印象ですが、タイトルのとおり、文章もところどころ挑発的というか、強く言い切りすぎというか、いささか不安を煽ります。
普段の子育てや教育のなかで「これってやりすぎかな?」とモヤモヤするところをスパッと言い切ってくれて、問題をあらわにしてくれているのだと思います。
また、個人の教育がいかに社会ともつながっているかも説いています。
教育によって得た力を自分のためだけでなく社会全体への貢献のために使えるようになること
発達の阻害は、子ども本人にとって不幸なだけでなく、社会全体の安定にとってもマイナスです。子どもたちはウェルビーイングを保障されるべきであり、避けられない困難に出会ったとしても、それを乗り越えるための社会的サポートが必要です。
私も、子ども個人の教育が独りよがりにならないように、社会という広い文脈も意識していたいです。
ただ、ここからじゃあどうする、という点について、この本は指針を示すにとどまるので、もっと具体的なノウハウが知りたい方には物足りないかもしれません。
5位 お母さんの自己肯定感を高める本
また常連さんの本です。4月から2位→1位→3位→5位と上位で推移しています。
著者は医学博士・臨床心理士で認定ポジティブ心理学プラクティショナーの松村亜里さんです。
この本も、発売から1年以上経っています。少しでも多くの方のネガティブ思考を救ってくれることを願っています。
私ですか?私は母親としての自己肯定感はそんなに低くないと現時点では思っています。そのきっかけとなった出会いをこの記事でご紹介しています。
同じ著者ではこちらの本もあります。
6位 頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て
本当は5位との間に雑誌が入っていたのですが、このランキングでは単行本のみを取り扱うことにしましたので、繰り上げ6位の本がこちらです。
この本は4月と6月にもランクインしておりましたが、私はこの見守る子育てシリーズが好きです。
著者の小川大介さんは、元予備校講師で中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員をされています。
私は続編にあたるこちらを先に読みました。
この本と今月1位の『子育てベスト100』は、そばに置いておいて困ったときに開きたいタイプの本です。
「見守る」って実際どういうこと??という疑問にケースバイケースで答えてくれます。
子どもをよく観察すること、その重要性はこの記事でも書いています。
7位「記憶」を科学的に分析してわかった小学生の子の成績に最短で直結する勉強法
今回のランキング3位の「しつけを科学的に〜」と同じ著者による本です。
このシリーズでは、他にもこちらを出されています。
たくさんの子どもの勉強を見てきた塾の経営者だけあって、子どもを勉強嫌いにさせないための工夫や考え方が詰まっています。
8位 大学の学科図鑑
4月からこのランキングレビューを始めて、初登場の本です。2021年3月に発売された『大学の学科図鑑』。
Amazonの説明にあるとおり「擬人化イラストとリアルデータを収録したエンタメ感あふれる進路ガイド」です。
著者は、大学やキャリアをテーマにした本を多数出版されている石渡嶺司さんです。
高校生が学科から学校を選ぶためのガイドブックは大変ありがたいですが、個人的には擬人化&エンタメ化まではしなくてもよかったんじゃないかなと感じています。
進路カウンセラーだと、扱いに少し困るかもしれません(笑)
とはいえ、この本をきっかけに一人でも多くの中高生が進路やキャリアについて積極的になってくれたらいいですね。
(でもなぜ「家庭教育」カテゴリに入っているんだろう…)
著者は、他にもこのような本も出されています。
9位 知ってる? 女の子のカラダ
こちらも8位同様、4月からこのランキングレビューを始めて以来初登場の本です。
しかも2001年発売で、20年前の本がランクインするのはかなり珍しいです。
性教育系の本でしたらもっと最近の出版もありますが、もしかすると子どものときにお世話になった大人世代が親になって再購入されているのでしょうか?
Amazonの説明によると、「女の子がこっそり知りたい月経、月経の手当、おりもの、胸のふくらみ、ブラジャー、性器の仕組み、性毛、異性への関心、男の子との違い、セックス、妊娠、出産など、12のテーマを取り上げ」ているロングセラーだそうです。
私が中高生の頃は、進研ゼミの読み物コーナーが情報源だったなと、ふと思い返しました(笑)
男児を育てている私としては、男子版も気になります。
10位 おうちモンテッソーリはじめます
モンテッソーリ関連の本はこれまでもランクインしていましたが、この本は初めてです。
著者は、国際モンテッソーリ協会(AMI)認定モンテッソーリ教師でオーストラリア出身のシモーン・デイヴィスさん。
主に1~3歳の子どもへの言葉かけや生活環境、遊び方をモンテッソーリ式に解説しています。世界20カ国以上で翻訳出版されたそうですが、私はノーマークでした。
カラーのイラストや写真もあり、とてもわかりやすそうです。
ちなみにこのランキングの常連モンテッソーリ本はこちらです。
まとめ
2021年7月1日時点のAmazonの「家庭教育」というジャンルの売れ筋TOP10と、関連本をご紹介しました。
今回は、新登場の本が4冊あって、先月までと比べると新鮮な感じです。
そして、残り6冊の常連さんの人気はすごいですね。
次回のランキングはどれくらいシャッフルされるのか気になるところです。お楽しみに!