売れている本を知ることはどんな情報や話題や著者が注目されているのかを知る手がかりとなります。
今回は、2021/08/01時点のアメリカのAmazonの育児書ベストセラーを訳本(あれば)や関連本とともにご紹介します。
この記事ではアメリカAmazonの「就学児のペアレンティング(School-Age Children Parenting)」という育児本カテゴリを継続的にウォッチしています。
「ペアレンティング」とは、親として子どもを育てることで、日本語では「育児」や「子育て」が近い言葉になります。
海外の教育・子育て事情が気になる方には面白がっていただけるのではないでしょうか。
このランキングは4月から毎月一回やっているので、ぜひ経時的な変化を見てみてください。
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同時期の日本のランキングと見比べる、という楽しみ方もあります。
アメリカAmazonの育児本ランキングTOP5
それでは、早速見てみましょう。
なんと、5回目にして初めて1位が新刊に明け渡されました!拍手〜!
1位 データに基づいた小学校低学年の子育てガイド
珍しく「いかにも」なタイトルです。8月発売で1位なので、勢いがあります。(よっぽど普段のこのジャンルに動きが少ないともとれる)
著者はアメリカの名門ブラウン大学の経済学教授で妊娠や育児に関する本も書いているエミリー・オスター(Emily Oster)さんです。
日本でもいっとき「◯◯の経済学」というタイトルの本をよく見ましたが、なんとなく「育児の経済学」を彷彿とさせる肩書と題名です。
オスター教授の目標は「妊婦や親がもっとリラックスできる世の中をつくる」ことだそうで、私も賛同します。
実はオスター教授はほかにも本を出していて、日本のアマゾンでは2冊の訳書を確認できました。
こちらは0歳から未就学までの子育てがテーマ。Amazonでは試し読みができました⇓
そしてこちらが妊娠・出産がテーマの本⇓
こうしてみてみると、妊娠・出産(翻訳済)→未就学(翻訳済)→小学校低学年(未翻訳・今回1位の洋書)と来ているので、この新しい本の翻訳も計画中かもしれませんね。
2位 子どもに愛が伝わる5つの方法
同じ書籍の電子版/オーディオ版などの重複を除く2位から5位は、以前にも取り上げた本ばかりでしたので簡単な紹介にとどめます。
以前までの記事に詳細をコメントしているので、気になる本があればリンクを辿ってみてください。
では早速2位。常連のチャップマンさんです。
“5 Love Languages”ーつまり「5つの愛の言葉」というキャッチフレーズで、親子や夫婦などの人間関係の本を多数出版されています。
日本語訳でも読めます⇓
4月から月次でランキングを確認していますが、この本はずーっと1位でした。
5回目の今回、初めて2位なのが新鮮です!
アメリカのAmazonで売れている育児本【2021年4月】
アメリカのAmazonで最も売れている育児本【2021年5月】
アメリカのAmazonで最も売れている育児本【2021年6月】
アメリカのAmazonで最も売れている育児本【2021年7月】
3位 現代の子どもたちへのポルノ対策
こちらも毎回ランクインしています。
この本ではポルノとはなにか、なぜ危険なのか、回避する方法をどう子どもに説明するかを保護者に伝えます。
現時点では和訳本がないのが残念です。
アメリカのAmazonで売れている育児本【2021年4月】
アメリカのAmazonで最も売れている育児本【2021年5月】
アメリカのAmazonで最も売れている育児本【2021年6月】
アメリカのAmazonで最も売れている育児本【2021年7月】
4位 「言い聞かせる」をやめればしつけはうまくいく!
こちらも毎回ランクインしています。
この本では、2歳から12歳の子どものしつけが必要な場面ですべきことやしてはいけないことを網羅しています。
デザインが違いますが、日本語訳も出ています。
アメリカのAmazonで売れている育児本【2021年4月】
アメリカのAmazonで最も売れている育児本【2021年5月】
アメリカのAmazonで最も売れている育児本【2021年6月】
アメリカのAmazonで最も売れている育児本【2021年7月】
5位 子どものためのブラック・ヒストリー・ブック:古代アフリカから現代のアメリカまで
こちらは、5月を除くと毎回ランクインしていました。
アメリカ、エジプト、イギリスなど、世界各地で活躍した歴史上および現代の51人の黒人リーダーやロールモデルが紹介されています。
Kindle Unlimitedでも読めますアメリカのAmazonで売れている育児本【2021年4月】
アメリカのAmazonで最も売れている育児本【2021年6月】
アメリカのAmazonで最も売れている育児本【2021年7月】
番外編:応援枠
今月の日本アマゾン版の記事でも応援枠を設けましたが、こちらでも実施したいと思います。
「応援枠」では、ランク外だけど同ジャンルで大変気になる本を応援も兼ねてご紹介します。
子どもに忍耐や勤勉さの大切さを伝える絵本
このジャンルで絵本が出てきたのは珍しいのですが、結構TOP5に近いところに来ていて目に入りました。
直訳すると「もう一度やってみる:忍耐と勤勉さがテーマのカラフルで韻を踏んだ絵本」です。
Kindle Unlimitedでも読めます。少しですが、Amazonで試し読みもできます。
紀伊國屋書店ウェブストアで探す著者は元教師・元スクールカウンセラーのエリザベス・エストラーダ(Elizabeth Estrada)さんです。この他にも、感情や自制心の扱い方を子どもに伝える絵本をたくさん書かれています。
表紙がとてもきれいで、落ち着いていて、内省的だけどエンパワーしてくれるような雰囲気です。
同じシリーズから他にもご紹介します。
これらは、全部で8巻の「Teacher and Therapist Toolbox: I Choose」というシリーズです。
日本のKindleでは全部買うと税込6,537円ですが、Kindle Unlimitedでは月額980円(初月無料)で全部読めるのでお得です。(絵本の表紙をクリックするとアマゾンに飛びます)
英語で感情教育の絵本をさがしている方にはぴったりだと思いました。
まとめ
2021年8月1日時点のアメリカAmazonの「就学児のペアレンティング(School-Age Children Parenting)」という育児本ジャンルの売れ筋TOP5と関連本、そして番外編をご紹介しました。
5回目にしてやっと1位が入れ替わりましたね!
2位から5位は安定のメンバーでしたが、常連本は長く支持されるだけのことはあるのでしょう。
アメリカも日本もそれぞれの経緯と社会背景があるので、比べることでどちらが進んでいるとか遅れているとか、優れているとか劣っているとか、判断はできません。
ただ同じ時期の日本とアメリカの出版状況や売れ行きを比べることで、似ているところと違っているところ、両国の特徴などを感じていただけると思います。
今のところ私も楽しくランキングを作らせてもらっているので、皆さんも面白がってもらえると嬉しいです。
次回のランキングもお楽しみに!