いつか学校見学で食っていきたいものです、とこの記事で書いてから約半年。
なんと!
今回お客様に同行させていただく形で、アメリカ東部にある名門ジュニアボーディングスクールの見学が実現しました!!やりたいことは言葉にするのが実現の近道ですね。
今回の見学ツアーは、私がこの仕事にかける想いをより一層強くしてくれるものとなりました。
こちらは、訪問時=2019年10月末時点の情報です。また、当レポートには私の主観も混じっているので、入学・転校・進学するときはどんな情報も鵜呑みにせずに、きちんと多角的に調べてくださいね。
ジュニアボーディングスクールとは
「ジュニアボーディングスクール」とは、小学校6〜中学3年生のための寄宿学校のことです。定義は割とあいまいです。
学校によって、小5から寮に入れる学校もあれば、通学生の幼稚園から小学校が附属していることもあります。寄宿生がほとんどの学校もあれば、少数派のところもあります。
「ジュニアボーディングスクール」を卒業した子は、次に「ボーディングスクール」に入ります。こちらは通常高校3年生まである寄宿学校です。
ヨーロッパやアメリカでは、これらのボーディングスクールの歴史が長いです。
日本にも寮制の学校はありますが、日本なりの発展を遂げているようです。
歴史が違う
近年は少しずつ西洋のやり方に近いボーディングスクールも日本に増えてきているみたいです。ただ、まだ実績が少ないか歴史が短いです。
したがって、西洋モデルのボーディングスクール体験を日本でできるとは、まだ私には自信を持って言えません。現時点では全く別物だと考えてもよいかと思います。
その点、アメリカのボーディングスクールは特に東部にあるものは100年以上の歴史があるものが多く、伝統とノウハウが蓄積されています。歴史が長ければいいってわけではないですが。
↑この学校は1945年創立。アメリカ東部のボーディングとしてはこれでも若めな印象。
多様性が違う
アメリカの名門ボーディングスクールには、多いところで20カ国以上から生徒が集まっています。日本でインターナショナルスクールに通うよりも、よっぽど多様性のある環境だと思います。
私は日本で7年間インターナショナルスクールに通っていました。当時のインターの記事はこちらです。
↑他校でも似たようなことをやっていますが、在学生の国籍を表す旗を掲げています。
手厚さが違う
ボーディングスクールでは、生活面や学力面や精神的なサポートも充実しています。
日本で家族と一緒に住んでいたら鍵っ子でほったらかしになっていたかもしれない子どもも、お友だちや先生にたっぷり構ってもらえて寂しい思いをしません。
↑自由時間は少なめですが、寮生が集まってゲームしたりビリヤードしたりする、いわばリビング。(ハロウィンが近いため、窓の装飾が怖いです)
ここまで日本の寄宿学校と違って「良い」と思われる点をピックアップしましたが、その分お値段もだいぶ日本の学校と違っているのでご注意ください。ボーディングスクールの奨学金についても書いています。
まずはアメリカのボーディングスクールや私立校で行われている教育について知りたい方向けの本。
タイトルには「エリート教育」とありますが、実際に体験した私の持論では必ずしもエリートを育てる教育ではありません。
イギリスの寄宿校(パブリックスクール)についてはこちらなど。
今回のジュニアボーディングスクールツアー概要
今回の見学ツアーでは、アメリカ東部にあるジュニアボーディングスクールを三日間かけて数校回りました。
秋に学校見学に行くのは現地的にも珍しいことではなく、学校側も受け入れ体制が万全です。
↑到着すると、上品なリビングみたいなスペースに通されます。フリーのクッキーやドリンクが置いてあることも。
アメリカ東部の秋の紅葉は日本とはまたちょっと違う感じで目を楽しませてくれます。朝晩は冷えますが、雪が降り始めるちょっと前の澄んだ空気がとても気持ちいいです。
ツアー中の移動は車です。東部に限定してもアメリカは広いので、学校から学校までの移動に2時間かかることはザラです。
車内では、次に行く学校について確認したり、英会話の練習をしたり、見学したばかりの学校の感想を語ったり、 wi-fi でネットサーフィンをしたりしてそれぞれ過ごします。
学校では見学だけではなく、面接も兼ねてアポをしっかり取ってから伺います。
また学校によっては生徒が見学ツアーを案内してくれたり、アドミッションの担当スタッフだったりします。
↑寮に入る鍵を解除している学校担当者さん。
案内の方法一つとっても、それぞれの学校の個性が感じられます。
20年以上前にサマースクールにだけ参加したことがある学校で、ふとすれ違った男の先生が、その当時ピアノを習った先生だったと判明したときは衝撃でしたね。
たまに学校で盛り上がり過ぎて次のアポに遅刻しそうになったり、昼食を食べ損ねてしまったりしました。
留学前の学校見学は行くべき?
かつての私は、留学先のボーディングスクールを紙面だけで選びました。今は販売されていませんが、20年前(笑!)は今で言うムック本みたいな雑誌で、英米のボーディングスクールが紹介されていました。
今だとAera EnglishやPresident Familyみたいな立ち位置の本でしたが、もっと広告など商業色が控えめでした。
そんな紙面だけで選んだ母校ですが、結果的には4年楽しく通って大好きです。学校選択は間違ってはいませんでしたが、選び方や準備の仕方は他にもあったのかなと思っています。
仮に我が子がボーディングスクールに行くとしたら、 一緒に見学に行き選ぶところから一緒に楽しみたいですね。
学校見学のメリット
やはりネットや資料を見てるだけではわからないことがたくさんあります。
たとえば空港から学校までの道中の景色、学校周辺の治安感、寮の匂い、生活の動線、学内掲示物、先生や生徒同士の関係性など…
これらは文字に起こすことはできても、体験する人や時期によって変わるものです。
実際に通学する本人が見ることが一番大事です。
また、子どもの過ごす場所を具体的にイメージできるようになることで親の不安感も大きく減ります。(逆に不安感が増すようなところは選ばないほうがよいです)
見学するメリットとして他にも、以下のような点があります。
- 長く先が見えない試験対策や出願準備のモチベーション維持
- 担当者に印象付けることにより少しでも合格の確度を上げる
- ミスマッチを防ぐ
- そこにいる自分を想像できる=心の準備になる
- しっかり選ぶことで在学中のモチベーション維持にもなる
- 日本にはない環境やチャンスにワクワクする
リスクを最小限にし、効果を最大化するためにも、出来る限り親子で実際に見学することをお勧めします。
見学ツアーだけでも変わる
この記事で一番書きたいことです。
今回のツアーでの一番の収穫。
それは、見学を経て、留学予定の子の目つきが変わっていったことでした。
素晴らしい環境にある学校。
チャレンジングなカリキュラム。
そんな環境におかれた同学年の子たち。
そして自分や自分のおかれた今の環境。
みんなに訪れるわけではないチャンスを掴みかけていることが、まだ大人になりかけのその子にはわかっていました。
もともと、親に言われて渋々留学に向けて準備を始めたその子。
でも日本とはあまりに違う学校や生徒たちを見てなにか、心の奥に小さい種火がついたようなそんな感じ。
本人はきっと「そんなことない」と言うでしょうが、かつてそこにいた私が、親になって、いろんな親子を見てきて、そう感じました。
一緒に見学した保護者の方も、世界が広がったと、おっしゃっていました。すでにいろんな経験を積んだ大人でも、見たことがない世界がある。
見学だけでも人生変わります。
では、留学は?
わざわざ小学生や中学生の時からボーディングスクールに正規留学する意義
早いうちからのボーディングスクール留学のメリットにはこういうのが挙げられます。
- 早いうちに行ったほうが語学を苦労せずできるようになる。
- 語学力や生活力がなくても学校のサポート体制が万全。
- 日本では到達できないレベルに育ててもらい、よりよい高校や大学に入れる。
でもでも私が考える、一番いいところはこちら。
子どものパッションを早く見つけられる
多くのボーディングスクールでは、勉強も一流ですが、スポーツや文化系活動を複数試せるようなカリキュラムになっています。
つまり、いろいろ試しているうちに、運がよければ向いている分野や好きな分野が見つかります。「合わない」分野がわかることも、収穫です。
それは芸術かもしれないし、スポーツかもしれないし、理科かもしれないし、社会貢献かもしれない。
それがなんであれ、没頭したいと思える対象が早く見つかるほど、先手の利で上手くなれます。
上手くなると、若くてもどんどん活躍の場が与えられるのがアメリカ(のボーディングスクール)。
日本だと、子どもがまだ未就学児の我が家がそうなのですが、なにか始めようにも親が教室を探してアポ入れて〜連れていって話を聞いて〜やってみるか判断して〜送迎が必要な場合には毎週予定を調整して〜と、習い事を一つ始めるのにステップが多いこと!!
ボーディングスクールではいつでもなんでも用意があるので、もっと気軽に試せます。普通は大学に行ってからじゃないとできないような選択肢もあります。私もセーリングに出会って世界が広がりました。
↑生き物の飼育や研究をやってみる?
↑デザインやものづくりに没頭してみる?
↑楽器や合唱をはじめてみる?
もちろん、スポーツも大学並に充実しているところばかりです。アメリカでも珍しい、漕艇部がある中学もありました!
どうせお金をかけるなら、どの教育をいつ?
今回の見学ツアーで一番実感したのは、やはり教育は投資であること。
たとえば、「お金」の投資の成功論の一つは、早めに始めることですよね。
教育にも、どうせお金をかけるなら早めにかけたほうが、
その後に及ぼす効果はより長く、大きいという考え方ができるのではないでしょうか。
同じ刺激を与えても、年齢が小さいときがより響きます。
もちろん、大人になってからも刺激や変化は大事ですけどね。
もともと私は、小学校から私立にいれたら生涯教育費がかさむ〜(泣)と考えていましたが。
仮にですよ。
小さいうちに、よい教育と体験をたっぷり与えられたら。
小さい頃の可能性の芽をなるべく潰さずに大きくしてやれたら。
チャンスを掴みに行ったり、チャレンジしたりする姿勢を育ててあげられたら。
たくさんの困難を経験することで、人に優しくなれたら。
大きくなってからできることの幅、選択肢の質が違ってくるのではないか。
例えば、高校や大学で行きたい先が見つかったときに
限られた枠しかない奨学金や援助プログラムを勝ち取れたり、
困ったときは周りの人に引っ張り上げてもらえたり、
やりたいことができたときに、困難を乗り越え進み続けられたり。
確かに、お金をかけるばかりが教育の正解ではないです。
それでもどこかでお金をかけるなら、それは初期の頃(小学生とか、親がまだ比較的子どもに口出せる年代)にかけたほうが、その後の伸びが期待できるのでは。
そんなふうに感じたのでした。
自力でボーディングスクールの見学手配をするには
さて、私の大好きな学校見学。
手当り次第に見学するのは、非効率的です。
見学のプランニングには最低でも以下のステップがあります。
- 留学の大まかな骨格を決める(行きたい留学先、予算、期間、留学時の年齢、出発時期)
- おおよその入学までのスケジュールを決める(見学時期・出願時期・留学時期)
- 見学先の学校リストを作る(一度につき多くても3から5校がベスト)
- 学校担当者にアポを取る
- 航空券や滞在先や移動手段の手配をする
- 面接や会話の準備をする(親の英語力アップの方法3選)
- アポイント通りに学校を見学する(場合によっては面接も兼ねる)
- 帰国後はお礼のメールを学校担当者に送る
学校見学は、決して軽い旅行感覚でするものではないと、私は思います。
私はこうした準備作業も含めて学校見学が大好きです。
もしお手伝いが必要な方がいらっしゃったら是非お問い合わせください。
お受けできる件数には限りがあるので、お問い合わせだけでもお早めにどうぞ。
例えば、こんなお手伝いができます。
- お子様に応じた学校選択
- 各学校への問い合わせ代行
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