読者の方から、ご質問をいただきましたのでご紹介します。
ところで以前、親子留学のカウンセラーをやっていたとき、
相談者の留学理由は大きく分けて3通りいらっしゃいました。
- 子どもの教育のため
- 親のスキルアップ/願望のため
- 1と2どちらも大事
どれがいいとか悪いとかではなく、
志向はそれぞれあって当然です。
今回の読者さんは、
お伺いすると2の傾向が強かったような印象です。
私としては新しい視点を与えていただき、素敵な学びがあったご質問でした。
本当にありがとうございます。
ご質問
個人特定できないように、(カッコ)内はこちらで編集しておりますが、その他はそのままです。
質問者さんには許可をいただいております。
はじめまして(^^)
私は昔から海外に住みたいと考えていました。出るなら(子)が小学校に上がるタイミングで、と考えているので、今情報を集めています。
海外で住みたい。というのがメインなので、(子)は日本人学校に入れるつもりです。その日本人学校が中学までしか無いのでその後帰国し、日本の高校を受験する予定でいます。
(中略)
せっかく海外住まいで日本人学校、これについてどう思われますか?
何か少しでも意見を頂けたら幸いです。
答え
以下が、上記の方に向けた私の答えです。
例によって長いです。これでも回答時、削りました(笑)
母子での海外移住はスモールステップで
(読者)さんは、海外に住みたいと考えているんですね。
海外といっても、アジア・オセアニア・北南米・ヨーロッパ・アフリカなど、どちらでお考えでしょうか。
また、言語圏も英語なのかそれ以外なのか。
それによっては、回答が変わるかもしれません。
もしまだ未就学児でしたら、
試しに数ヶ月〜1年くらいの期間を海外で過ごしてみるのもおすすめです。
私の前職では、そのような希望の方をフィリピンのセブによくご案内していました。
知り合いにはマレーシアやタイに期間限定で行っている(た)親子もおります。
コスト的にはやはりアジアが人気ですね。
実際に行ってみるまでは生活感や教育環境もわからないです。
結構主観や性格に寄るところも多いですしね。
親と子でも違うので、親子移住だと、なおさら行ってみるまでわからないです。
なので、数ヶ月で戻るくらいの気持ちで、まず行ってみることをよく勧めていました。
日本人学校という選択肢
さて本題ですが、
正直にお話すると、私は日本人学校に通っていた人を個人的に知りません。
行っていたとしても週末の補習校で、習い事の範疇でした。
なので、参考になるかどうかわかりませんが、
想像と調べた範囲で補った勝手な考えだけ述べさせていただきます。
『せっかく海外住まいで日本人学校、これについてどう思われますか?』
この問にお答えすると、
「あらゆる可能性を検討したうえで最良な決断ならまだしも、
初めからそう決めているのは、もったいないかと思います」。
小学校〜中学校ということは、最長9年間程度でしょうか?
いずれ日本に帰国することを見据えて
日本人学校にいれておくことは理解できますが、
9年滞在することがわかったうえで、ずっと日本人学校というのはあまり聞いたことがありません。
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もしいらっしゃったらお声がけください!
日本人学校を真っ先に検討するとしたら、
すでに日本の教育を受けてきていて、
最長2-3年後には日本の学校に戻ることを想定している駐在家族みたいな方ではないでしょうか。
現地の日本人学校に通うということは、
たとえば日本のインターに通っている子のように、
日本語も現地語も中途半端になる可能性があります。
過ごし方にもよりますが。
また現地にいる間、スポーツや音楽など、
学校ではできない習い事をしたいときは日本語の習い先を探しますか?
現地語の習い先だと、現地語に不自由しませんか?
放課後や長期休暇はどのように過ごしますか?
滞在期間相応の心身に必要な発育が順調にできていれば良しとする考え方もあります。
究極的には、親子に合う学校に出会えれば、それ以上の結果はありません。
子どもの将来についてどのように考えていますか?
ちょっと脱線しますが、お子さまの教育にどんな目標を掲げていますか?
私としては、順調な発育に加えて、
年齢+α相応の本を理解して議論ができるくらいの言語力を日本語でも現地語でも第三言語でもいいので目指してほしいです。
とはいえ難しいことなので、意識するだけでも違うと思います。
むしろ、それくらいの志がないと、
日本での進学先の選択肢が大幅に削られると危機感を持っていただきたいです。
(中略)
日本人学校ですと、日本の教育指導要領に基づいたカリキュラムかと思います。
そもそも日本のカリキュラムでそのような思考力がつくかどうかも疑問視されているなか、
他の選択肢を探れる環境にあるにも関わらず、最初から日本人学校とするのはもったいないのではないかと思いました。
(中略)
もしすでにじっくり検討したうえで、もう選んでいる日本人学校があるのであれば、むしろ私も知りたいのでぜひ教えて下さい!
答えは一つではない
もし海外に住むのが目標でしたら、
極端な話、学校に行かないというのも選択肢だと思います。
旅行=学びという感じで、それが親子にハマるなら、それも一つの形です。
また、高校からは子どもだけで現地・留学・帰国もあり得ます。
(国・学校によっては小学生から可能は可能ですが)
仮に日本人学校で中学まで終えても、現地校に進学したり、ひとりで日本に帰国したり、第三国に進学するのもありです。
将来、
日本と限ってもその中でどのような選択肢があるのか、
子どもが受験要件を満たすのか、
このあたりは、国の社会経済情勢も関わってきますし、
現在と過去からの推測をするしかありません。
年度によって、学校によって変わる可能性もあります。
一方で、
そのときの子どもにとってどんな教育方針が適正なのか、
どんな将来を本人が望むのか。
成り行きに任せるのもひとつですが、
私個人的には、あがけるうちは足搔いておきたいものです。
要は、子どもの可能性の芽をつぶさずに、
発見して、育てていけて、ある程度軌道修正も許される環境であれば、
それが海外の日本人学校であっても、
理想的なのではないでしょうか。
あとがき
この方の場合、
ご相談のなかに「海外移住」という強い目的が感じられました。
それを感じた第三者は、どんな反応をするでしょうか。
「子どもの将来よりも親のやりたいことを優先させるなんて。
海外で子どもになにかあったらどう親戚や近所に説明するのか」
こんなふうに感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回質問をくださった読者さんも、
上記に通じる”罪悪感のようなもの”を少なからず背負っていた印象を私は受けました。
自分という人生の岐路、
そして子どもの将来、
その他の人達との関係性。
誰しも、大なり小なりこのような葛藤のなかで
決断を重ねて、進んで行くのだと思います。
そのために、いろいろ情報収集されて、行動されている読者さんは、
きっといつか答えを出して大きく動かれるような気がします。
(また教えて下さいね〜)
子どものことなら心配しなくても大丈夫。
日本にいても海外にいても、
めきめき成長して、時期が来たらふいっと親離れします。
どこで子育てしても、これは一緒です。
もし海外移住してから帰国の折には、この記事を参考になさってください。
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上記の回答へのご質問者のお返事の一部
丁寧に早速お返事いただきまして嬉しかったです。ありがとうございます。
現在のわたしの身近なところにはまゆさんのように経験豊富の方はいないですし、こういったお話をできる人がいなかったので、まゆさんのサイトはすごく参考になりました!これからも応援させてください^^
わたしが以前に質問した際に考えていた国は(国名)の(都市名)、日本人学校です。
(国名)に移住しているネットでみつけた方に(都市名)日本人学校のことを相談した際に、せっかく行かれるなら、日本人学校以外にインターナショナルスクールという手段もありますよ〜とさらっと教えてくれたことがきっかけで、まゆさんにも質問させていただきました。
わたしがずっと海外で子育てしたい、海外に住みたいという気持ちがあって、
今(子)が(学年)のため、小学校に上がるタイミングがチャンスかもしれない!と思い、年末から現在情報を集めているところです。
この方の教えてくださった日本人学校、
私も初耳だったのですが、
調べると確かに気になる学校でした!
この親子なら、意外とアリかも!と納得しちゃうくらい。
わかる方には多分わかるのでしょうが(笑)
もし気になる方は、個別にお知らせくださいね^^
わたしが日本人学校を選んだのは、
海外に住みたいというわたしの願いに(子)ももれなくついてくるということになるので、
(子)には無理なく過ごしてもらえるような環境が良いと思ったからです。(中略)
ですがわたしのわたしが海外に住みたい気持ちがあるので日本人学校という選択肢を考えました。
質問者さんが、とても葛藤されているの、わかりますでしょうか?
きっときっと、質問者さんだけではないはず。
悩んで悩んで、納得して諦める人もいれば、諦めずに模索を続ける人もいます。
回答にも書いたとおり、
成り行きに任せるのもひとつですが、
私個人的には、あがけるうちは足搔いておきたいものです。
子どもの幸せって、
まずは大人が幸せな姿を見せないと。
大人が自分の願望を我慢する。目標を諦める。
理由が理由なら仕方ないときもありますよね。
でも、子どもが目標を持ったとき、同じ理由で我慢させられますか?
一見、越えられないハードルにどう立ち向かおうとしているか、
子どもは見て学んでいますよ。
他にもご質問がある方は、こちらからどうぞ。