「インターから日本の学校へ移るとき、どうやって学校を選べばいいの?」
「帰国後の学校選び、信頼できる情報源が知りたい」
意外と多くの保護者がこの疑問を抱えています。
本記事では、国内外のインターナショナルスクールや海外の学校から日本の学校への編入に関する不安を解消し、スムーズな移行を実現するために役立つ書籍とウェブサイトをご紹介します。
私自身、7年間の国内インター経験と海外高校から日本の大学への編入を経験。(→プロフィール)
教育相談を受けるようになって気づいたのは、「適切な情報源を知っているかどうか」が成功の分かれ道だということです。(相談については、2025年3月現在、新規受付を制限しています。)
本記事では、学校探しの味方となる書籍とウェブサイトとノウハウを紹介します。
この記事に書いてあることは当時の(書いた時点の)情報ですし、私の主観も混じっています。
なかにはケースバイケースのこともありますし、古くなっている情報もあります。
入学・申し込みをするときはどんな情報も鵜呑みにせずにきちんと自分のケースに即しながら幅広く調べましょう。
インターや海外校から日本の学校への編入:基本情報
インターナショナルスクールから日本の学校への編入を検討する際、まずは基本的な情報を押さえておくことが重要です。
インターや海外校から日本の学校への編入の現状と選択肢
インターナショナルスクールから公立・私立学校への編入は可能です。
2024年の調査によると、インターからの編入先として公立(36.5%)、私立(28.0%)が主な選択肢となっています。(n=200)
私も、小中学校の段階では、基本的に公立学校で十分な教育を受けられると考えています。
私の子どもたちも新小6と新小4で、1年の頃から公立に通っています。
公立小中学校への編入は、居住地の教育委員会に問い合わせることで手続きが可能です。
学校選びが必要になるケース
ただし、以下のような場合には、より慎重な学校選びが必要になります。
- 高校への編入:高校は義務教育ではないため、学校ごとに編入条件が異なります。
- 私立学校を希望する場合:小中学校でも私立を選ぶ場合は、学校ごとの特色や入学条件を比較検討する必要があります。
- 居住地が未定の場合:帰国や転居を考えている場合は、学校の選択肢も広がるため、より詳細な調査が必要になります。
- 特別なニーズがある場合:英語教育の継続や特殊なカリキュラムなど、特定の教育環境を求める場合は、それに適した学校を探す必要があります。
つぎから、学校選びの参考になる情報源をご紹介します。
【厳選4冊】インター生・帰国子女の学校選びに役立つ書籍ガイド
学校選びは、編入プロセスの中でも重要なステップです。
特に、住むエリアが未定の場合や私立校を希望する場合、高校以上の進学を検討している場合は、そもそもどんな選択肢があるのか、どうやって絞り込むのか、考えることになります。
その際には、情報収集がカギとなります。
このセクションでは、学校選びに役立つ書籍を厳選してご紹介します。
これらの本は、学校の特徴や受け入れ条件、教育方針などを詳しく解説しており、編入先を検討する際の強力な味方となるでしょう。
『帰国子女のための学校便覧2024』
全国の帰国生受け入れ校の基本情報が一覧になっています。
インター生の編入でも参考になります。
学校の規模や設備、出願条件、過去の応募状況まで詳しいデータが掲載されています。
ただし、この便覧は2024年版を最後に刊行が終了し、現在はオンラインで情報提供されています。
この記事の後半でご紹介します。
『AERA English 特別号 英語に強くなる小学校選び』
この雑誌は、英語教育に力を入れている全国の小学校を紹介しています。
公立・私立を問わず、英語イマージョン教育や国際バカロレア(IB)プログラムを導入している学校の特徴が解説されています。
インターや海外経験を活かせる環境を探すのに役立つ一冊です。
ただし、掲載校の情報は広告出稿状況によって詳しさに差があることも留意しましょう。
年に1回更新されます。
『帰国生のための学校案内』
首都圏中心ですが、スタッフが実際に学校を訪問し、帰国生担当の先生や在校生から入試情報や学校生活をインタビューした内容を掲載しています。
約320校の国公立・私立校の入試データや体験談データが網羅されています。
インター生の編入でも参考になります。
HPではPDF版(有料)もあり、海外在住者は消費税なしで購入可能です。
電子書籍は、Amazonのみ。
ただし、学校説明会の日程変更があるため、必ず公式サイトで最新情報を確認しましょう。
一般的な受験ガイド誌
一般的な受験ガイド誌も、学校選びにおいて貴重な情報源となります。
定期購読すると、見逃しません。
進学レーダー:中学受験に特化した月刊誌。私立中高一貫校の情報や受験ノウハウを提供。年間9号発行。
サクセス12:中学受験向けの情報誌。学校の特色や入試傾向、模試結果分析などを掲載。
サクセス15:高校受験向けの情報誌。学校別の入試対策や合格者の体験談なども紹介。
これらの雑誌は、定期購読せずに気になる号だけ購入することも可能です。
学校見学会や説明会の日程も掲載されているので、スケジュール管理にも便利です。
地域に即した編入・受験ガイドの探し方
編入や受験に関する情報は地域によって大きく異なります。
お住まいの地域に合った情報を集めることが、効果的な対策の第一歩です。
ここでは、地域特有の受験ガイドを見つける方法をご紹介します。
- オンライン書店の地域別検索:「[地域名] 受験ガイド」や「[都道府県名] 入試案内」などのキーワードで検索してみる。
- 地域の書店:地元の大型書店では、その地域に特化した受験ガイドや学校案内が販売されていることがあります。地域によっては地元の教育事情に特化した情報誌が発行されていることもあります。全国版の受験雑誌には載っていない、地域特有の情報が掲載されていることも。
- 地域の学習塾や進学塾:地元の塾では、その地域の学校事情に詳しい情報や独自の受験ガイドを提供していることがあります。
- 地域の図書館:意外と穴場。地元の教育委員会が発行する資料や、地域限定の受験情報誌が置いてあることがあります。司書さんに「地域の受験情報が欲しいのですが」と相談してみましょう。チラシコーナーもチェックしてみると、地域の学校や教育機関が配布しているチラシやパンフレットが置いてある場合もあり、最新の情報を得ることができます。
これらの方法を組み合わせることで、より具体的で地域に即した受験情報を入手できるでしょう。
ただし、入手した情報は常に最新のものとは限りません。
最終的には、志望校の公式サイトや説明会で、最新情報を確認することをお忘れなく。
また、地域の受験事情を知ることは、単なる情報収集以上の意味があります。
自分たちの暮らす地域とのつながりを深めることにもなります。
がんばって情報を集めて、子どもに合った受験・編入プランを立てていきましょう。
日本の学校への編入準備に役立つ情報サイト5選
インターナショナルスクールや海外の学校から日本の学校への編入を検討する際、インターネットは貴重な情報源です。
ここでは、編入先選びや準備に役立つウェブサイトをご紹介します。
海外子女教育振興財団(JOES)
海外子女教育振興財団(JOES)は、海外駐在員の子女向けにサービスを提供している団体です。
長年にわたって発行してきた刊行物「帰国子女のための学校便覧」の内容を無料で閲覧できる「国内学校情報検索サイト」を2024年11月にオープンしました。
この検索サイトでは、全国約1,400校の帰国生受入校の情報を、学校名、都道府県、男女区分、設立区分、受入区分、寮の有無などの条件から検索できます。便利。
ただし利用には「JOESマイポータル」への無料登録が必要です。
帰国生のミカタ

「帰国生のミカタ」は、学生の「なりたい自分・理想の学校」を見つけるための総合支援サイトです。
帰国子女向けの入試情報や学校選びのポイント、海外との教育の違いなど、幅広い情報を提供しています。
国際バカロレア(IB)認定校・候補校一覧

日本の学校の中にも、国際バカロレア(IB)プログラムを導入している学校が増えてきています。
IBプログラムは、国際的な視野を持つ人材育成を目指しており、インターナショナルスクール生や帰国生にとって、比較的馴染みやすい学習環境を提供している可能性があります。
JOBA On Line (JOL)
JOBA On Line (JOL)は、海外帰国子女向けの教育プログラムや受験情報を提供するウェブサイトです。
関東・関西圏の入試・転編入情報や、学校からのメッセージを見やすく一覧で提供しています。
帰国便利帳Web
帰国便利帳Webは、帰国子女向け情報が豊富で、コラム形式の記事やオンライン説明会も充実しています。
実体験ベースの記事で具体的なイメージを掴みたい方におすすめです。
例えば、帰国子女高校受験の最新情報や、海外大学留学に関する情報など、様々なテーマの記事が掲載されています。
これらのウェブサイトを活用することで、インターナショナルスクールや海外校から日本の学校への編入に関する情報を効率的に収集し、お子様に最適な学校選びができるでしょう。
インターや海外校からの編入先選びに役立つ動画コンテンツ
書籍やウェブサイトだけでなく、YouTubeなどの動画コンテンツも編入先選びの貴重な情報源となります。
動画ならではの視覚的・聴覚的な情報や、体験談を通して学校の雰囲気を掴むことができるでしょう。
海外・帰国子女向けオンライン家庭教師TCK Workshopチャンネル
このチャンネルでは、帰国子女やインター生、海外生向けのオンライン家庭教師サービスを提供しているTCK Workshopが、帰国後の進路選択に関するアドバイスを発信しています。
帰国生のミカタチャンネル
https://www.youtube.com/@公式帰国生のミカタ
「帰国生のミカタ」は、帰国子女向けの情報を発信するYouTubeチャンネルです。
帰国子女インタビューや、学校ツアー動画、生徒・教師インタビューなどの動画を配信しています。
BSテレ東チャンネルのTHE名門校シリーズ

THE名門校 日本全国すごい学校名鑑は、BSテレ東で放送されているドキュメンタリー番組。
日本の伝統と歴史ある名門校を密着取材し、生徒や保護者、教師を通して紹介しています。
YouTubeで公開されているのは短いバージョンですが、インデックス代わりにさくさく見られます。
本編はBSデジタル放送か、ネット配信で見ることができます。
これらのYouTubeチャンネルを活用することで、日本の学校に関する情報を、より多角的に収集することができるでしょう。
動画ならではの臨場感や、体験談を通して、自分に合った学校を見つけてください。
学校選びに関する公的機関や学校提供の情報源
インターナショナルスクールや海外校から日本の学校への編入を検討する際、公的機関や学校が提供する情報は、信頼性が高く、最新の正確な情報を得るために非常に重要です。
以下では、主に活用できる情報源とその具体的な使い方をご紹介します。
学校の公式ウェブサイト
希望する学校の公式ウェブサイトは、編入に関する詳細情報を得るための第一歩です。
多くの学校では、編入試験の日程や条件、必要書類、試験科目などが掲載されています。
また、公式ウェブサイトには学校生活や教育方針に関する情報も豊富です。
例えば、「授業風景」や「部活動紹介」のページを見ることで、その学校の雰囲気を知ることができます。
さらに、不明点があればメールや電話で問い合わせることも可能です。
学校公式チャンネル
最近では、多くの学校がYouTubeなどで公式チャンネルを運営しています。
これらのチャンネルでは、学校紹介動画やイベントの様子、生徒インタビューなどが配信されています。
動画は文字や写真だけでは伝わりにくい学校の雰囲気を視覚的に理解できるため、特に遠方から学校を検討している場合に役立ちます。
各都道府県の教育委員会サイト
公立学校への編入を考えている場合は、各都道府県の教育委員会サイトをチェックしましょう。
地域によって編入規則や手続きが異なるため、自分が住んでいる地域や希望校が所在する地域の教育委員会サイトを確認することが重要です。
また、多くの場合、問い合わせ窓口も記載されているので、不明点は直接相談できます。
地域別の学校紹介動画
地方自治体や教育関連団体が運営するYouTubeチャンネルでは、地域ごとの学校紹介動画が公開されていることがあります。
これらの動画は、地域特有の学校文化や生活スタイルを知るために役立ちます。
また、自分たちが暮らす地域でどんな教育環境が提供されているか具体的にイメージしやすくなります。
文部科学省公式サイト
文部科学省の公式ウェブサイトも見逃せない情報源です。
「高等学校入学資格」や「大学入学資格」に関する詳細情報が掲載されています。
また、「個別最適な学び」や「協働的な学び」といった、日本国内で提供されている最新の教育方針を把握することができます。
これらの公的機関や学校提供の情報源は、それぞれ異なる視点から有益な情報を提供しています。
まずはガイドブックなどで候補となる学校をリストアップし、その後これら公式情報源で最新かつ正確なデータを確認しましょう。
そして最終的には説明会や見学会などで実際に五感を使って精査し、自分たちに最適な選択肢を見つけてください。
インターや海外校から編入する日本の学校選びのステップ
インターナショナルスクールや海外の学校から日本の学校への編入は、子どもの将来に大きな影響を与える重要な決断です。
このプロセスを成功させるためのステップをご紹介します。
- 早期からの情報収集と準備開始:編入の準備は、少なくとも1年前から始めることをおすすめします。長距離走のように、焦らずゆっくりと着実に進めていくイメージです。まずは、「帰国子女のための学校便覧」などの書籍や海外子女教育振興財団ウェブサイトなどを活用して、候補校のリストを作成しましょう。
- 最新情報の確認:候補校のリストができたら、学校の公式ウェブサイトや教育委員会のサイトで最新の編入情報を確認します。募集要項、試験日程、必要書類などを正確に把握することが大切です。
- 五感を使った最終確認:最後に、学校見学や説明会に参加し、実際に学校の雰囲気を感じ取りましょう。これは、新しい靴を買うときに試し履きをするようなものです。可能であれば、教職員や在校生とコミュニケーションを取ることをおすすめします。
- 子どもの心理面サポート:編入後は、環境の変化に対する適応支援も重要です。必要に応じて、学校のカウンセラーや専門家に相談することも検討してください。子どもの心の健康は、学校生活の成功に大きく影響します。
編入は大人にとっても子どもにとっても大きな挑戦ですが、適切な準備とサポートがあれば新しい環境での成長のチャンスとなります。
子どもの可能性を信じ、一緒に前向きに取り組んでいきましょう。
まとめ
インターナショナルスクールや海外の学校から日本の学校への編入は、適切な準備と情報があれば十分に実現可能です。
この記事では、編入プロセスの中でも特に重要な「学校探し」に焦点を当てて、役立つ情報源や具体的な方法をご紹介しました。
この記事で紹介した書籍やウェブサイトを活用し、具体的な行動計画を立てることをおすすめします。
そして、不安なことがあれば、早めに学校や教育委員会に相談してみましょう。
子どもの可能性を信じ、一緒に前向きに取り組んでいくことが、親子の成長体験につながります。
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